「―――…はい。――はい。はい。分かりました」
耳に当てていた携帯を離して、通話を切る。
片手に持っていたメモ帳には、かいつまんだ情報がビッシリ書かれていた。
さっきまで夢の中にいたようやったのに、会社の連中の声を聞いた瞬間、一気に現実に引き戻された気分やった。
もう、ホンマ邪魔せんといてほしいわ。
心の中でグチグチと文句を言いながら、持っていた手帳をバックに押し込んでから顔を上げた。
そやけど――。
「あれ?」
さっきまでそこにいた女性の姿がそこには無かった。
ついさっきまで、電話しながらも彼女の姿を盗み見てたのに、仕事の話が深くなるにつれて、仕事モードになった俺は携帯から聞こえる声に集中して彼女から目を離してしもてた。
軽く焦りながらキョロキョロと辺りを見渡す。
そやけど、見えるのは田園風景だけで彼女の姿はどこにもない。
そんな時。



