守りたい人【完】(番外編完)

なんや、合成みたいやな。

と、彼女の今時な恰好と背景の田園風景を見て思う。


せやけど、目が離せないのはそれだけやない。

俯きながら歩くその姿と、僅かに見える曇った横顔が、妙に儚くて目が離せんかった。


そして、彼女はそのまま近くにあった芝生に力なく腰かけた。

俺の立っている場所から大きな声を出せば聞こえる距離や。

せやけど、その姿に釘付けになって声が出ない。


ぼんやりと目の前に見える山々を見つめる横顔。

風に揺れる、波打つ髪。

今にも息を止めそうな程悲しみに満ちたその表情から目が離せんかた。


どれくらい、そのまま立ち尽くしていたんやろう。

吸い込まれるようにその姿を見ていると、現実に戻すように携帯の着信が鳴った。

驚いて肩を上げて、この風景にはミスマッチな機械音を急いで止めた。