守りたい人【完】(番外編完)

そんな事を思いながら、駅を出てブラブラと辺りを散策する。

そやけど、面白いくらい何もない。

おまけに人すらおらんし、聞こえるのは鳥の鳴き声だけやった。


これ以上おっても時間の無駄やな。

早々に飽きた俺は、踵を返して来た道を戻ろうとした。

その時――。


「おっ」


視線の少し離れた先。

田んぼのあぜ道を歩く1人の女性が見えた。


初めて見る町民に、足を止める。

こちらに向かってくる女性は、トボトボと下を向きながらゆっくりと歩いとって、俺の存在には気づいとらん。

話しかけようと待ったけど、徐々にハッキリしだすその姿に目を奪われた。


フワフワの栗色の長い髪。

柔らかい日差しを浴びる肌は透き通るように真っ白やった。

グレーのニットのセーターを着ているんやけど、今時のその恰好がド田舎のここにはミスマッチすぎる。