守りたい人【完】(番外編完)


「私も好きです、朝比奈さんの事が」

「知ってる」

「大好きです」

「知ってる」


抱きしめられたまま、くぐもった声でそう言う私の言葉を聞いて、抱きしめる腕の力が増す。

閉じ込められるように腕の中にスッポリと包み込まれて、幸せすぎておかしくなりそう。


「志穂」


そんな時に、不意に呼ばれた声。

ゆっくりと顔を上げると、優しく目を細めて私を見下ろす朝比奈さんがいた。

そして。


「この先、何があっても俺がお前を守る」


――あぁ。

ようやく受け取ってもらえた。

溢れるこの気持ちが、ようやく届いた。


大好きなこの人が、私を好きだと言ってくれた。

これ以上の幸せがどこにあるっていうのだろう。