その傷を見て、ようやく記憶を思い出す。
そうだ、今日の朝方、朝比奈さんが病院に運ばれたって聞いて、急いで花井さんと鍛冶君と病院に駆け付けたんだ。
慌てて病室に駆けこむと、軽い怪我だと言って笑う朝比奈さんがいて、それでも、私の心配を他所にケラケラ笑う鍛冶君と朝比奈さんの姿に腹が立って怒鳴って、それで――。
記憶はそこでプツリと途切れている。
最後に思い出せるのは、真っ白な世界。
そのままグルグルと世界が回って、そして途切れた。
その後、どうなったんだろう……。
一向に思い出せる気配すら感じなく、う~んと考え込んでいると。
「寝てないんだってな」
不意に聞こえた朝比奈さんの声に、ゆっくりと視線をそちらに向ける。
すると、呆れたように微笑む朝比奈さんがいた。
「鍛冶から聞いた。心配して一睡もしてないって」
「あ……はい、気が付いたら朝で」
「悪かったな」
「え?」
「心配かけた」
そう言って、真っ直ぐに私を見つめる黒目がちな瞳。
酷く久しぶりに感じるその眼差しに胸が締め付けられた。
そうだ、今日の朝方、朝比奈さんが病院に運ばれたって聞いて、急いで花井さんと鍛冶君と病院に駆け付けたんだ。
慌てて病室に駆けこむと、軽い怪我だと言って笑う朝比奈さんがいて、それでも、私の心配を他所にケラケラ笑う鍛冶君と朝比奈さんの姿に腹が立って怒鳴って、それで――。
記憶はそこでプツリと途切れている。
最後に思い出せるのは、真っ白な世界。
そのままグルグルと世界が回って、そして途切れた。
その後、どうなったんだろう……。
一向に思い出せる気配すら感じなく、う~んと考え込んでいると。
「寝てないんだってな」
不意に聞こえた朝比奈さんの声に、ゆっくりと視線をそちらに向ける。
すると、呆れたように微笑む朝比奈さんがいた。
「鍛冶から聞いた。心配して一睡もしてないって」
「あ……はい、気が付いたら朝で」
「悪かったな」
「え?」
「心配かけた」
そう言って、真っ直ぐに私を見つめる黒目がちな瞳。
酷く久しぶりに感じるその眼差しに胸が締め付けられた。



