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不意に目が覚めて、徐に鉛のように重たい瞼を開ける。
真っ先に見えたのは、白い見慣れない天井。
ぼんやりとした頭で、その天井を見つめた。
ここは、どこだろうか。
これが夢なのか現実なのかも分からないほど、頭の中がボーっとしている。
体を動かそうとしたけど、あまりにも怠くて諦めた。
視線だけをゆっくりと動かす。
それでも、一向にここがどこだか検討もつかなかった。
すると。
「起きたか」
何の前触れもなく聞こえた声に、ハッと意識がハッキリする。
驚いて視線を隣に向けると、椅子に腰かけながら柔らかく微笑む朝比奈さんがいた。
その光景に頭の中に?マークが飛び交う。
そして、今更ながら自分がベットに寝ている事に気づいて、更に訳が分からなくなった。



