分かっている。

朝比奈さんの言っている事は分かっている。

だけど――。


「それは、朝比奈さんが行かなきゃいけない事なんですか!?」

「――」

「ここにいて下さいっ!」


行かないでほしい。

そんな危ない場所に、行かないでほしい。

ここにいてほしい。

そんなの誰かに任せて、私達の側にいてほしい。


縋るような私の言葉に、朝比奈さんが僅かに息を吐いた。

そして、少しだけ口端を上げて静かに言った。


「俺は自衛官だから」

「――…え」

「例え、もう除隊した身だとしても、俺は自衛官なんだ」

「――」

「だから行く。助けを必要としている人がいるなら」