守りたい人【完】(番外編完)

「どうかしたんですか?」


誰かが一気に張り詰めた空気を打破するように、声を上げる。

すると、真剣な表情の近所の消防団員の人が重い口を開いた。


「西田さん家と連絡が途絶えている」

「――…え」

「誰か連絡を取った人はいるか?」


その人の言葉に、近所の人達は顔を見合わせながら不安そうに首を横に振った。

私とたまちゃんも、不安気に顔を見合わせる。

さっきまでの楽しかった笑い声は一瞬にして消え、息も詰まるような沈黙が体育館を覆った。

すると。


「分かりました。ありがとうございます」


一気にシンとした私達の様子を見て、自衛官の方がそう言って頭を下げる。

そして、再び真剣な表情で何やら話し合い始めた。


その様子を見て、胸がザワザワとざわめき出す。

嫌な予感がムクムクと大きくなる。