ワイワイと楽しそうにしている人達を、たまちゃんと並んで見つめる。
2人とも口元に浮かぶのは、笑顔。
こんな状況なのに、ちっとも不安じゃないのは、周りの人達の支えがあるから。
みんな側にいてくれるから。
大丈夫だと、そう思える。
たまちゃんと顔を合わせて、小さく笑う。
そんな私達に気づいて、鍛冶君が大きな声で私達にこっちに来いと手招いてきて、その場に混ざる。
輪の中は暖かで、囲む人達はみんな笑顔だった。
その様子に嬉しく思いながら、何気なく朝比奈さんの方に視線を投げようとした、その時――。
「ちょっといいですか」
楽しかった雰囲気に不釣り合いな固い声が響く。
その声を聞いて、一同にその声のする方に振り返った。
振り返った先には、先程まで体育館の隅の方で話していた自衛官の人と、町内の消防団員の方。
その中には、朝比奈さんの姿もあった。



