守りたい人【完】(番外編完)

それから、あっという間に自衛隊の人達は捜索本部を立ち上げ、体育館に避難している私達に炊き出しなどをしてくれた。

見た事もない大きな車でご飯を炊いたり、料理をしている。

温かいご飯は、強張った体をホッとさせた。


それから、続々と警察や消防隊の人達も駆けつけ、体育館の中や外は人で溢れ返っていた。

瞬く間にそうなった光景を見て、昨夜朝比奈さんの言っていた言葉は本当だったと頬が緩んだ。


『これから日本中の人達が助けに来る――』


今ここにいるのは、私達の事を助けようとして来てくれた人達。

聞く話によると、ボランティアの人達も全国から集まっているみたいだ。


胸の奥がじんわりと温かくなる。

人の優しさを目の当たりにして、目頭が熱くなる。


バタバタと世話しなく動く人々を見て、グッと拳を握った。

そして、溢れる感謝の気持ちを胸に小さく頭を下げた。











「あれ? 朝比奈さんは?」


不意に聞こえた声に、ハッとする。

声のする方を見れば、座り込む私を上から見つめる、たまちゃんがいた。