あぁ、と思う。
やっぱり、と思う。
雨の音が一層強くなる。
まるで、私達と自衛隊の間にある壁のようだと思った。
屋根の外が別世界のように感じた。
「元気そうで、よかった」
独り言のようにそう言って、朝比奈さんは僅かに口角を上げて、雨の降り続く外を見つめる。
優しそうに細められた目は、まるで懐かしいものでも見るように憂いている。
あの人が、暴力事件を起こした本当の人。
朝比奈さんが、自分の立場を捨ててまで守った人。
それからしばらく、機材やらを下ろす彼らの様子を見ていた朝比奈さんだったけど、不意にこちらを振り返って口を開いた。
「ここは邪魔になる。中に入るぞ」
呆然と立ち尽くす私を見ないでそう言ってから、朝比奈さんは体育館の中に足を進めた。
その背中を見つめて、胸に湧き起こるモヤモヤするものをグッと飲み込む。
訳の分からない不安に押し潰されそうになる中、一度目を強く閉じてから、朝比奈さんの背中を追った。
大丈夫だと、自分に言い聞かせながら。
やっぱり、と思う。
雨の音が一層強くなる。
まるで、私達と自衛隊の間にある壁のようだと思った。
屋根の外が別世界のように感じた。
「元気そうで、よかった」
独り言のようにそう言って、朝比奈さんは僅かに口角を上げて、雨の降り続く外を見つめる。
優しそうに細められた目は、まるで懐かしいものでも見るように憂いている。
あの人が、暴力事件を起こした本当の人。
朝比奈さんが、自分の立場を捨ててまで守った人。
それからしばらく、機材やらを下ろす彼らの様子を見ていた朝比奈さんだったけど、不意にこちらを振り返って口を開いた。
「ここは邪魔になる。中に入るぞ」
呆然と立ち尽くす私を見ないでそう言ってから、朝比奈さんは体育館の中に足を進めた。
その背中を見つめて、胸に湧き起こるモヤモヤするものをグッと飲み込む。
訳の分からない不安に押し潰されそうになる中、一度目を強く閉じてから、朝比奈さんの背中を追った。
大丈夫だと、自分に言い聞かせながら。



