守りたい人【完】(番外編完)

「いいか、これから避難所まで行くけど、絶対俺からはぐれるなよ」

「わ、分かりました」

「足元には十分注意しろ、いいな」

「はい」


テキパキと懐中電灯を手に持って、荷物を担いだ朝比奈さん。

そして、慌ただしく玄関へと向かった。


ガタガタと玄関の扉が大きな音を立てている。

古めかしいガラスと木でできたそれは、今にも吹き飛んでしまいそうだ。


「行くぞ」


そんな事を思っていたら、朝比奈さんが私達の方に振り返って固い表情でそう言った。

その言葉を合図に、玄関の扉を開けた。

だけど、その瞬間、物凄い勢いで雨風が吹き込んできて足元が揺れる。

思わず一歩後ずさった私は、打ち付ける雨から反射的に目を閉じた。

それでも、次に見えた世界に目を疑った。