守りたい人【完】(番外編完)

「あいつもギリギリの状態だった。恐らくこの事が公になればニュースにもなり、駐屯地に軟禁され、仲間からも白い目で見られ、自分のせいで世間からの自衛隊の信頼をも失ってしまう。そして、誇りをもってやっていた仕事も奪われる。もしかしたら、家庭さえも失ってしまうかもしれない」

「――…だから、何も悪くないあんたが罪を被って懲戒免職になったんか」

「幸い俺には守る家族も恋人もいないからな。それに目を離した俺にも責任はある」

「――」

「その後、俺は暴力事件を起こしたとして懲戒免職になった。それを知った両親からは当然勘当を受けた。仕事も居場所も無くした」


ふっと小さく息の下で笑った朝比奈さんを見て、胸がかきむしられる思いだった。

この人は本当にどこまでも不器用で、いつも誰かの為に生きているような人だと思った。

鍛冶君の言うように、生き辛そうに生きている。


初めて出会った頃の彼を思い出す。

まるで傷ついた一匹狼。

固く自分の殻に閉じこもって、自分を隠していた。


それも、もしかして誰かの為だったの――?


訳の分からない感情が湧き上がってきて、目頭が熱くなった。

グッと歯を食いしばって、涙を押し込める。

すると。