無造作に車を砂利道に停めて、2人勢いよく駆けだす。
バクバクと心臓が鳴る中、もつれそうな足を叱咤して駆ける。
そして、無人の駅を抜けてコンクリートでできた駅のホームに踊り出た。
そこにポツンと立つのは、リュックを担いだだけの1人の男性。
夕日に照らされた精悍な横顔を見て、一気に胸が締め付けられた。
「朝比奈さんっ!」
その姿に向かって、大きくそう叫ぶ。
すると、一瞬肩を震わせた朝比奈さんが勢いよくこちらに振り返った。
そして、駆けてくる私と鍛冶君を見て目を見開いた。
その姿に泣きそうになりながら走る速度を上げる。
そして、勢いのまま朝比奈さんの腕に飛び込んだ。
「どうして勝手に出て行ったりするんですかっ!」
ドンっと勢いよくその胸に飛び込んだ瞬間、大声でそう叫ぶ。
一瞬よろめいた朝比奈さんだったけど、私を受け止めてくれた。
上がる息の中、呼吸を整える事なく顔を上げる。
そこには、驚いた様子で目を見開いたまま私を見つめる黒目がちな瞳があった。



