グルグルとお玉を無心で回し続ける。
何かをしていないと、心がグチャグチャになっておかしくなりそうだったから。
そんな私を何も言わずにじっと見つめる鍛冶君。
それでも、突然パンッと勢いよく膝を叩いて立ち上がり、ニッコリと笑った。
「よっしゃ! ご飯にしよか! そんで、みんなで飲もか!」
「え?」
「3人揃うなんて久しぶりやんけ。暗い話は忘れて、パーッと飲んだろ!」
いつものように明るくそう言った鍛冶君を、ポカンと見つめる。
それでも、その提案が嬉しくて一気に頬が上がった。
「そうですね! 暗い顔してても何も変わりませんしね!」
「そやで! あ、今日ハッシュドビーフかぁ、うまそう~」
「昨日から煮込んでるんで美味しいですよ、きっと」
「たまらんなぁ! あ、俺、朝比奈さん呼んでくるわ」
「お願いします」
笑顔になった私を見て、嬉しそうに2階へと駆けていく鍛冶君の背中を見つめる。
ダメだな、私。
暗い顔して溜息ばかり吐いている。
そんなんじゃ、みんなにも気を使わせてしまう。
パンッと勢いよく頬を叩いて、気合いを入れる。
そして、にこーっと笑顔を作って、お皿にモリモリとご飯をよそった。
その時――。



