守りたい人【完】(番外編完)


モジモジと指先を絡ませて、落ち着きなくそう言うたまちゃん。

何を言うか予想もつかない私は、ただ首を傾げて次の言葉を待つ。

そして、意を決したように顔を上げたたまちゃんがゆっくりと口を開いた。


「朝比奈さんが、以前暴力事件を起こして、前いた会社を辞めさせられたって」


告げられた言葉に、ポカンと口を開けて固まる。

そんな私を見て、たまちゃんは一気に喋りだした。


「それが本当か分からないよ!? でもっ」

「……でも?」

「朝比奈さんが今働いている会社の人が、そう言ってたらしいの」

「――」

「ほら、履歴書出すじゃない? そこで……懲戒免職になってて、調べたら……って」


そこで言葉を切ったたまちゃんだけど、その言葉の意味を理解するには十分だった。

だけど、その事が信じられなくて必死に頭を回転させる。


懲戒免職になって、会社を辞めさせられた?

という事は、少なからず何かそれ相当の事件を起こしたという事?

どんな会社に勤めていたかは知らないけど、そんな簡単に懲戒免職になんてしないだろう。

だったら、何を――?


言葉を無くして考え込む私を見て、たまちゃんが慌てたように体を寄せてきた。