守りたい人【完】(番外編完)

本当は少しだけ心配だったんだ。

鍛冶君の事、たまちゃん本気で好きみたいだったから……。

だから、鍛冶君に告白されたと話せば、どれだけショックを受けるか考えなくても分かった。

それでも、いつまでも隠し通せるものでもないし、隠しているほうが後々たまちゃんを傷つけると思った。


本当は告白された事だけ話そうと決めていたのに、根掘り葉掘り聞かれて、キスされた事まで話すハメになってしまった。

心配する私を他所に、たまちゃんはずっと笑って聞いていた。

そして、『そんな気がしてたぁ~』なんて言って笑うから、呆気に取られてしまったんだ。


ソヨソヨと揺らぐ木々を見つめるたまちゃん。

真っ白なお餅みたいな肌はいつも上を向いていて、どんな事も受け止めてくれる安心感がある。

意地っ張りで強がりな私も、昔からたまちゃんの前だけは素直になれた。

どんな私も、優しく受け止めてくれたから。


「でも、諦めないよ~! 志穂ちゃんにフラれて弱っている今がチャンスよね!」

「たまちゃんのその強いハート、羨ましい」

「だって、滅多にないチャンスなんだよ? ここで逃したら私一生独り身かもしれないじゃない! そんなのやぁだぁ~」


バタバタと顔を左右に振るたまちゃんを見て、笑みが零れる。

こうやって私に気を使って明るく振舞う、たまちゃんに感謝しながら、大きく息を吐いて遠くに見える山々に目を移した。