守りたい人【完】(番外編完)

それが悲しくて辛くて、悔しかった。

一気に涙が溢れて、その場に蹲る。


「さすがに、効いたなぁ」


それでも、なんだか可笑しくなってきてケラケラと笑った。

流れる涙も拭わずに、天井を見上げて、ははっと。


どうして、こうも上手くいかないんだろうか。

どうして、気持ちを伝える事はこんなにも難しいのだろうか。

どうして、どうして――…。


「朝比奈さんの、馬鹿野郎っ」


当たって砕けるとは、まさにこの事。

必死にぶつかったのに、跳ね返された。

粉々に散った私は、もう歩く事すらできない。


「私じゃ、ダメか」


鍛冶君の言っていた朝比奈さんの壁。

きっと私には壊す事はできない。

私の声は、朝比奈さんには届かない。


小さく笑って、テーブルに残されたご飯を見つめる。

もう3人揃って食べる事はないんだろうな、と思って目を閉じた――。