「信じるもなにも、俺には関係のない事だ」
そして、朝比奈さんは最後にそう言い残して私の隣をすり抜けていった。
僅かに起こった風が、頬を滑っていく。
階段を上る音が背後から聞こえる。
パタンと二階の部屋の扉が閉まる音が聞こえる。
その瞬間、一気に足から力が抜けてその場に崩れ落ちた。
それと同時に、我慢していた涙が耐えきれずにポタリと床に落ちた。
「関係ない……か」
最後に告げられた言葉がナイフのように突き刺さる。
あまりにも大きなショックを受けて、もう何も言い返せなかった。
それでも、今になって言いたい言葉が溢れ出す。
「私が好きなのは、朝比奈さんなのにっ」
だけど、分かった。
朝比奈さんは、これっぽっちも私に興味なんてない。
むしろ、誰にでも尻尾を振る女だと思っている。
言われた言葉がそう言っていた。



