守りたい人【完】(番外編完)

バクバクと心臓が痛い程主張を始める。

一番見られたくない人に、その光景を見られた。


だったら、私が鍛冶君に告白された事も知っている?

私の気持ちも知ってる?


冷や汗に似たものが、背中を伝っていく。

何か言わなければいけないのに、頭の中が真っ白になった。


それでも、朝比奈さんは酷く冷静な表情のまま固まる私を見つめる。

だけど、次の瞬間どこか自嘲気に笑って息を吐いた。


「別にだからって俺に責める権利もないんだけどな」

「――」

「だけど、俺は邪魔だろ。だから、あんたには、あんまり近寄らないようにする」

「待ってっ、私と鍛冶君はそういうのじゃ!」

「だったら、あんたは好きでもない男と簡単にキスできるわけ」

「そうじゃない!」

「なんで今更鍛冶を否定する。あんた、優しくされれば誰でもいいのかよ」


冷たく言い放たれたその言葉に、雷に打たれたような衝撃を受ける。

そう思われた事に身動きできないほどのショックを受ける。

心の芯が大きく揺さぶられて、心臓が握りつぶされたみたいに苦しくなる。