守りたい人【完】(番外編完)


あからさまなその態度に、モヤモヤがイライラへと変わる。

話すら聞こうとしないその横暴さに、ついにプチンと頭の中で何かが切れた。


「朝比奈さんっ!」


冷静さを欠いた私は、ゴソゴソと冷蔵庫を漁る朝比奈さんの腕をグイッと引く。

すると、どこか気怠げにこちらを向いた朝比奈さんが、伏し目がちに私の方に視線を向けた。

その冷たい瞳に、一瞬たじろぎそうになる。

初めて会った時と同じように、私を拒絶する瞳。

それでも、負けまいとグッと奥歯を噛み締めて息を吐いた。


「私、何かしましたか」


そして、『冷静に』と心の中で呟いてから、そう口にする。

逃がさないように、朝比奈さんの鍛えられた太い腕を離す事なくその瞳を見つめる。


バクバクと心臓の音が煩い。

息をする音ですら聞こえるんじゃないかって程の静寂。

それでも。


「見たんだ」


ポツリと落ちた声に、耳を傾ける。

だけど、断片的なその言葉に首を傾げた。


見た?

見たって何を?