守りたい人【完】(番外編完)


――…カチャカチャと食器を洗う音が響く。

チラリと時計を見れば、夜の10時を過ぎていた。


視線を時計からテーブルに移せば、まだラップのかかったままのオムライスがポツンと置いてある。

朝比奈さんは、まだ帰ってきていない。


「林業って、そんなに忙しいもんなのかな?」


全く未知の仕事だから、帰宅時間や仕事内容はサッパリ。

もちろん、朝比奈さんがそれについて話す事はないから、一向に知識は増えない。


はぁっと投げやりな溜息を吐いて、空いている椅子に腰かける。

実際、このモヤモヤした気持ちが徐々に苛立ちに変わりつつあった。

さすがの私も我慢の限界だ。


っていうか、一体何なのよ。

私が何したっていうのよ。

口があるなら、喋れっつーの。


イライラした気持ちをぶつけるように、開けたばかりのビールをグイッと煽る。

今までの自分だったら、聞き分けの良い子のフリして静かに支えたり、気が済むまで見守ったりしただろうけど、私はもう昔の私ではない。

言いたい事は、ちゃんと言わなきゃ。