「鍛冶君?」
「ん~?」
「あの物干し竿、どうしたの?」
「物干し竿?」
「なんか、綺麗になってバージョンアップしてるんですけど」
そんな私の言葉に、鍛冶君が私と同じように窓の先にある物干し竿に目を向ける。
すると、私と同じように驚いたように目を瞬いた。
「ほんまや。新品みたいになってんで」
「え? なんで?」
「俺は知らんで」
不思議そうに首を傾げた鍛冶君を見て、私も首を傾げる。
誰かが直してくれた?
え、でも誰が?
不思議だ……と思いながら、食い入るようにバージョンアプされた物干し竿を見ていると。
ガチャン。
突然、机の上に金属が置かれた音がして、驚いて振り返る。
すると、いつものように無表情の朝比奈さんが軍手を外している所だった。
その姿を見て、もしかして……と思う。



