守りたい人【完】(番外編完)

全く納得いかないけど、諦めてぺこっと頭を下げる。

このお返しは、いつか必ずしなければ。

そう思いながら下げていた頭を上げると、ニッコリ満足気に笑った鍛冶君がいた。


「あ~も~、ホンマにいじらしいわぁ」

「え?」

「志穂ちゃんみたいな子が彼女やったら、俺毎日ご飯作るで!」

「は、はぁ……」

「毎日美味しいもん作ったるで~!? どや!? 俺と付きおうてみる?」

「――…お味噌汁、沸騰してますよ」

「あかん! ほんまや! あ、俺はいつでも大丈夫やさかい、その気になったら言うてなぁ~」


ケラケラと笑いながらそう言って、キッチンへと消えていった鍛冶君。

ここ最近、お調子者のレベルが上がったように思う。

暇さえあれば、こうやって口説いてくる。

まぁ、全く本気にしてないんだけど。


はぁっと溜息を吐きながら、窓の外を見つめる。

すると、ふと目に入ったものに瞬きを繰り返した。


「あれ?」


視線の先にあるのは、外に置いてある物干し竿。

だけど、記憶の中の物干し竿とは違う。

雨ざらしになってボロボロだったのに、いつの間にか新品のようになっている。

おまけに、長さも長くなっている。