守りたい人【完】(番外編完)

驚く私を他所に、安堵した様子でその場にヘナヘナと腰を下ろした鍛冶君。

その姿は朝比奈さんと同じようにずぶ濡れで、ずっと探していてくれたんだと分かった。

きっと、なかなか帰らない私を心配して、鍛冶君が朝比奈さんに知らせてくれたんだろう。


「私は大丈夫です。本当にごめんなさい」


その姿を見て、2人の顔を交互に見ながら頭を下げる。

あのまま1人だったら、本当に死んでいたかもしれない。

そう思うと、ゾッとして体が震える。


「ええんや、ええんや。それより病院行かな! 怪我しとるんやろ!?」

「その前に体を温めろ」

「そやな! あ~あ~、泥だらけや。ベッピンさんが台無しやで」

「ふふっ、それは2人とも」

「俺は雨も滴るいい男やろ? 色男が2割増しや」

「そうですね」

「心こもってないやん! あ、そや、俺近所の人達に見つかった言うてくるわ! 朝比奈さん、志穂ちゃん頼んだで!」


そう言うや否や、バシャバシャと雨の中を駆けて行った鍛冶君。

その姿を朝比奈さんの腕の中で見つめていると。