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「えぇ~!? いつの間に増えてたの~?」
まったりとした声が春の暖かな日差しの中に溶けていく。
声のした方に視線を向ければ、お団子を食べながら驚いたように目を見開く、たまちゃんがいた。
「私も入居する数分前に、お母さんから電話で聞いたの。何の準備もしてなかったから大変だった~」
「ふふふふ、志穂ちゃんのお母さんらしい~」
「もう大慌てで準備したんだから」
「それでそれで? どんな人?」
家の縁側に座りながら庭先に咲いた桜を眺めていると、たまちゃんがキラキラした瞳で詰め寄ってきた。
その言葉に、鍛冶君の事を思い浮かべて口を開いた。
「ん~、朝比奈さんとは正反対な人かな。関西の人なんだけど、無駄に明るくて、よく喋るし、調子いい事ばっかり言うし、基本じっとしてない人かな」
日々の鍛冶君の様子を思い出して、そう言う。
我ながら的を得ていると思う。



