「はぁ~~~~~~~っっ!?」


木造建ての無駄に大きな家に、私の叫び声が響く。

バンッと勢いよく机を叩いて前のめりになった私をニコニコと見つめるのは、揃って天然でおっとりした性格の私の両親。


「だから~、下宿屋始めたの!」

「もちろん、朝夕の2食付きだぞ」

「今日の晩御飯は何がいいかしらねぇ」

「志穂の事迎えに行ってもらったんだ、肉にしよう」

「あ、じゃぁ、トンカツにしましょうか」


鯉のように口をパクパクさせる私を置いて、呑気に今日の夕食のレシピを考える両親。

相変わらず……というか、マイペースに拍車がかかっている。


眩暈を起こしそうになって、持ち上げていた腰をユルユルと下ろす。

そんな私に目もくれず、両親は変わらず今日の献立の事をワイワイと話していた。