天ヶ瀬くんもわたしのほうに身体を向けて、お互い向き合った。

少し顔を上げると、天ヶ瀬くんの整った綺麗な顔が見えて、思わずそらすと。


「ダメじゃん、慣れるために頑張るんじゃないの？」

こんな整った顔に見つめられるこっちの身にもなってよバカ…！！


「む、無理っ……だよ！」

「ダーメ、そんなの俺が許さない」


顎を簡単にクイッとあげられて、逃がそうとしてくれない。

目が合うと、ぶわっと顔が熱くなる。


耐えられなくなって、口をパクパクしていると。


「……なに、キスしてほしい？」


必死になってるわたしを見て楽しそうにしながら、そんなことを言ってくるんだから。

首をブンブン横に振っていると。


さらに、イジワルな天ヶ瀬くんは。


「じゃあ、慣れる練習でももからキスしてよ」


「は、は……い？」


ちょ、ちょっとこの人なに言ってるのかな？