きれいごとばかり並べてしまっているけれど、助けないとって思ったのは本音だから。
きっと、唯乃さんがまた傷ついたら天ヶ瀬くんは自分のせいじゃなくても責任を感じてしまいそうだから。
「嘘ばっかり……無理して自分の気持ち押し殺して……。お互い何なのよ、想いあって、ほんとムカつく……っ」
怒ってる口調で、そのまま立ち去っていくのかと思えば
わたしの手を引いて、「ちょっとついてきて」と、だけ言われて、ある場所に連れていかれた。
数十分、ひたすら歩いて、連れてこられた目の前の建物に驚いた。
わたしの手を引いたまま、中に入っていく唯乃さんについていくだけ。
中に入ると、鼻にツンッとくる消毒のような匂いがする…病院独特の匂いだ。
そう、わたしが連れてこられたのは近所でも大きくて、有名な病院だ。