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意識が戻って、目を開けると、視界がタオルのようなもので覆われていた。
冷たくて気持ちいい。濡れたタオルに、首元には袋に入った氷が当てられていた。
身体は横になっていて、頭が誰かの膝の上に乗っかっている気がする。
誰だろう?と思い、視界を覆っていたタオルを退かすと。
「……目覚めた?」
「っ……」
いちばんに視界に入ってきた、心配そうにわたしを見つめる
……天ヶ瀬くん。
「急に倒れるから」
「……ご、ごめん…なさい」
ダメだ、返しがぎこちない。
顔が見れそうにない。すぐに覆っていたタオルを再び被せようとしたら。
「まだ調子悪い?」
それを阻止されて、頬が冷たい天ヶ瀬くんの大きな手に包まれた。

