天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。




とりあえず、何か飲み物を買って、身体の熱を下げたいけど、こういうときに限って自販機とか、飲み物が売ってるところが見つからない。


ベンチも座ろうとしても空いてるところが見つけられないし。


人混みの波に揺られながら、ますます気分が悪くなっていく。


さっきからスマホが震えているけど、そっちに意識が回らないくらい、頭がボーッとして、目を閉じるとグラグラと揺れている。


息をするのも苦しくなってきて、そこから不安になってきて、誰も頼れる人がそばにいないから、助けも呼べないこの状況にさらに焦りを感じて

身体がグラッと後ろに倒れかけた。


ドサっと誰かに受け止められた。


振り返ると、そこにいたのは……


ここで少しの間、わたしは意識を手放してしまっていた。