天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。




ショックなんか受ける資格ないのに。

ズキっと胸が痛かった。

そして、何も言わず、天ヶ瀬くんは席を立ちどこかへ行ってしまった。


「もうゆづくんってば。ごめんね2人とも。なんか今日機嫌悪いみたいで。いつも唯乃と2人のときはもっと優しいし、話してくれるんだけどなぁ」


唇を尖らせながら不満そうに愚痴を漏らしていたけど、それに悪意を感じてしまうのは、やっぱりわたしの性格が悪いから?


だって、まるで2人のときは、違う一面を見せてくれるのって言われてるみたいだから。


それから天ヶ瀬くんは戻って来ず、唯乃さんが連絡を取っても、繋がらず。

お店を出てから、3人で天ヶ瀬くんを探すことになった。


外に出ると太陽の日差しが強くて、暑い。

ただでさえ、普段からあまり外に出ないわたしからしたら、人混みとこの暑さは結構きつい。


ふらふらと、ぼんやりする意識の中歩いていたら、いつのまにか2人とはぐれてしまった。