こうして、断ることができず。
約束を決めてしまった。


翌日愁桃にそのことを話したら、「俺はいいけど…お前は大丈夫なのか?」と心配されてしまった。

それに対して、強気で大丈夫だと返してしまう自分はバカみたい。


いっそのこと、天ヶ瀬くんと唯乃さん2人の幸せそうな姿を見れば、完全に諦めることができるかもしれない……という微かな希望もあった。


そして、ついにその日がやって来てしまった。


当日は駅で待ち合わせではなく、遊園地のゲートの前で待ち合わせになった。


いつもより早く起きて、準備を済まし、愁桃と約束の場所まで電車を乗り継いで向かう。


愁桃とまともなデートなんてしたことない。

2人で出かけることはあっても、デートって呼べるものでもなかったし。


「もも、大丈夫か?」

「へ……?」