心のどこかに、まだ残っている想いを捨てきれていない証拠…だ。


「ももちゃんの彼氏はどう?」


にこにこ笑いながらこちらを見る視線は、まるで羨ましいでしょ?と言わんばかり。

こうやってわたしのことを聞いてくるのも、どこかで見下してる気持ちがあると思ってしまう。


「っ、大切に……してくれてます」

「へぇ、そうなんだぁ。じゃあお互い幸せねっ」

「っ……」


何も言い返せないわたしに、唯乃さんはさらに追い討ちをかけるように。


「あ、そうだ。せっかくだからダブルデートとかしてみないっ?唯乃そういうの憧れだったの!」


こんな提案をしてくるんだから……。


「唯乃のパパが遊園地のチケットちょうど4枚くれてるから、一緒にどう?きっと楽しいと思うから」