ほら、今だってわたしが突然飛び込んだのに、しっかり受け止めてくれる。

わたしよりもずっと大きくて、しっかりした身体。


いつもの愁桃の優しい匂いに包まれる。


「ちょっ、お前……いきなりどうしたんだよ?」


「なんでもないよ。ただ、愁桃がわたしのためにいろいろ頑張ってくれてたんだって思うと抱きしめたくなったの」


「お前なぁ……いつからそんな小悪魔になったんだよ」


呆れた声で話すけど、ギュウッとわたしよりも強い力で抱きしめてくれる。


「愁桃っていい匂いだね」

「風呂上がりだからじゃねーの?」


「ううん。違うよ、いつもと一緒。わたしこの匂い好きだもん。優しくて、安心する」


「……なんで今日はそんなストレートなんだよ」