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「ねぇ、愁桃?」

今はお風呂から出てきた愁桃がわたしを家の前まで送ってくれているところ。


「ん、どうした?」

「いろいろ頑張ってたんだね」

「なんだよ、急に」

「牛乳たくさん飲んで正解だったね」


わたしがこう言うと、全てを察したのか。


「っ、んだよ……。母さんのやつ余計なこと喋りやがって」


夜で暗くて、顔は見えないはずなのに、照れた顔を自分の手で隠そうとしてるからわかってしまう。


「ネギは今も好き?」

「お前なぁ……。頼むからそのネタ持ってくんなって」


「ふふっ、わたしもたくさんネギ食べようかな?頭良くなりたいし」


「お前いつからそんな性格悪くなったんだよ」


「もともと性格悪いもん」


はぁ、とため息をつく愁桃の胸に勢いよく飛び込んでみた。