天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。




「小さい頃からずっとももちゃんのこと大好きだったからあの子。だからももちゃんのためなら何でもしちゃうのよねぇ」


他にもわたしの知らないことをたくさん聞くことができた。

わたしに内緒で水泳とか空手とか習ってたこととか。


泳げなくてバカにされたくないと思ったのと、空手をやり始めたのはわたしを守りたいと思ったからだとか。


全部小さい頃の話で、今はやめてしまったらしいけど。


幼なじみだからなんでも知ってると思ってたけど、結構知らないことがあってびっくり。


しかも全部わたしのために頑張ってくれてたんだって思うと、なんとも言えない気持ちになった。


「母親のわたしが言うのも変だけど、あの子は誰よりも、ももちゃんのこと大切にしてると思うの」


愁桃のお母さんの言う通り…だ。