「お前さぁ、俺のことなんだと思ってるわけ?」

そう言いながら、寝転んでいるわたしのベッドに近づいてくる。


そして、わたしの上に覆いかぶさってきた。

ギシッとベッドが軋む。


さっきまであった安心感が愁桃の余裕がなさそうな顔を見てなくなりそうになる。


「ちょっ、しゅ……うと…?」


いつもの幼なじみの顔とは違う。
ひとりの男の子の顔をしてる。


「いつまでもただの幼なじみじゃねーんだよ」


抵抗しようとしたら、その手を簡単につかまれてしまった。

両手首をつかまれて、完全に逃げ場はない。


「お前は危機感なさすぎなんだよ」


そう言って、唇の少し横にチュッと軽くキスをされた。

きっと…あえて唇を避けたんだと思う。


何も言わず、わたしを見下ろして。