やだ……もう。

いろんな感情が入り混じって


「天ヶ瀬くんだって……わたしより唯乃さんのほうが大切なんでしょ…っ」


泣きながら、震える声を抑えた。
だけど。


「だったら何?」


言葉にトゲがあるように、それが胸に刺さる。


「だ、だったら唯乃さんのところにいけば……いいじゃん…」


こんなこと言いたいんじゃないのに。
感情的になると、冷静さを失って、思ってもいないことを口にしてしまう。


「言われなくてもそうするつもりだけど」


表情ひとつ変えない、崩れない。

思い知らされた。


自分の存在は天ヶ瀬くんにとっては所詮それほどのものではなくて。

なくなっても何も感じないんだって。


少しでも近づいてるかもしれない…なんて淡い期待をこの瞬間、一気に壊された。