「私は…なぜここにいるのでしょうか?」

見知らぬ天井を見上げ、ベッドに横たわっているであろう私は、そばにいる女性に聞いた。
「ここは病院よ。」

優しそうな表情をした女性は、私の問いに答えてくれた。

「あの…あなたは?」

それを聞いた瞬間、その女性は、顔が曇った。

周りにいた人達は驚きの表情を隠さずにいられなかった。

なんで驚いてるの?

医師らしき男性が私の前に出てきて、

「君、名前は分かるかい?」

と優しい口調で聞いてきた。

名前…?名前は…辛うじて思い出せる。

「桜井あかり…です。」