近くに居過ぎて

その小屋の中にはボロボロの毛布などが置いてあった。


その夜はその毛布を被って、一夜を過ごした。


辺りが明るくなり始めた頃、連絡しなきゃと思い、ポケットを見た。


「ない。うそ。落とした?」


多分滑った時に落とした。


歩いて戻ろうと思ったけど、変な方向に曲がった膝が痛くて動けなかった。


食料も水もない。このまま誰も探しに来なかったら、死ぬんだろうなと思いながら、ぼーっとしていた。