唇に触れる、温もり。



頬に触れる、椋の前髪。




あれ、キス、されてる、?



と思ったのはゆっくりと椋の顔が離れて行った時。




「あま、」



と顔を顰めた椋に、おそらく顔を真っ赤にして口をぱくぱくしている私。




「ごちそーさん」



と、口端をあげる君に、私は一生かなわない気がして、少し悔しいのは私だけの秘密。





ねぇ椋




「……だ、いすき、」




「真っ赤な顔して言うのは反則です、」




真っ赤な顔をお揃いにしたバレンタイン。




隣で揺れた、チョコマカロン。





全部、君のくれたもの。






fin .