ああもうどうしよう



「どんどん好きが増えてく……」



驚いたように笑った椋は、ふわりと笑った。




「こっちのセリフだばか」



「ふは、私のこと守ってくれるんでしょ?」



「死ぬまでは守ってやるよ」



得意げに笑う君が好き。




「ね、雨水くん」



「椋って呼ばないの?」



「恥ずかしい、から」



「今更?」



「今更」



「安西さん」



「へんなの」



「な、雨水くんも変だぞ」



「慣れてよ」



「慣れたくない」




少し意地悪したくなって、雨水くんと呼んだらいやだという君が好き。




「椋は私が守るね」



「俺のセリフをとるなあほ」



「あほいうなあほー!」



「ガキか。」



「うるさい」



「ふはっ」





私の隣に座る椋の右隣にある小さな紙袋に込められた想いは



「そろそろ帰ろうか」


「う、ん」




3年越しに、君の横で揺れることが出来ました。



「それとも、こんばんは俺の家くる?
今日は親、いないけど?」



「ま、っまたの機会に〜」




チョコマカロンだけが残った紙袋。



隣を歩く君のそばで揺れる紙袋。





「隣のチョコマカロン…」



「なに?」



「なんも」