なんて頭の悪いことを考えていると、
目を見張るひとことが頭上から聞こえた。





「これ俺のだから、取らないで」




「はっ、つまんないね?幼馴染くんの初恋なんて食べても美味しくないに決まってるじゃん?」





三葉くんはつまらなそうに窓の外へと目を向けた。



なんなんだこの状況は、とそろそろ頭で状況整理が難しくなってきた頃、雨水くんが三葉くんの左手に握られていた小さな紙袋を奪い返した。




「杏果、帰ろ。」




「あ……うんっ」




後ろを振り返ると、ドラマのワンシーンみたいに夕日に照らされた三葉くんの横顔があった。




「あ、あのっ、よければ、これっ」




「タルト?」




「義理、チョコ?」




「疑問系?」




「だ、だって、っ」





さっきも聞いたその突っ込みにたじろぎながら、このチョコレートの意味を探した。





「ふはっ、必死。」




ふにゅ、と私の両頬を掴むとふ、と微笑んで