「葵さん!?大丈夫ですか!?」

俺は渚に助けを求められ葵さんの元に駆け

寄った。葵さんは熱中症になってしまったら

しくぐったりとしている。声を掛けてもま

るで無反応。即座に葵さんを抱き上げると

渚に怒鳴りつけた。

「おい!何やってんだ!さっさと救護室ど

こか聞いてこい!」

「・・・わ、分かった」

渚はあたふたしながら近くの人に声を掛け

ている。葵さんの体温はかなり熱く、沸騰

してしまいそうなほどだ。


「ったく、やっぱりムリヤリにでも俺が葵

さんと一緒にいれば・・・」


後悔したって仕方がない。今はとりあえず

葵さんの体が一番だ。



~そして1時間後~


「・・・ん・・・」

「葵さん?目、覚めましたか?」

葵さんがようやく目を覚ます。海の家から少

し離れた所に救護室があったので、俺はそ

こに葵さんを運び込んだ。