「飛鳥は、確かにカッコいいよ?だけど顔

だけじゃないから」

葵さんが珍しくムキになって言い返す。しか

しそいつはやたらと口が達者ならしく負け

ていない。

「どうだか。実際、俺との関係の方が長い

わけだし。俺の方が信用出来るだろ」

こいつ、絶対友達いないな。こんな毒舌吐

きまくりのヤツに友達がいたら100万払って

やってもいい。

「そりゃ、渚はいとことして信用してる

よ。だけど彼は他人だから。他人なんて関

係なく旦那として信用してるの」


うわ。うわうわうわ・・・やっぱり俺の葵

さん最高過ぎる。


胸の奥がじんわり熱くなる。運転しながら

目に涙を浮かべた。情けない。ていうか涙

で前が見えにくい。

「へえ~、葵って結構趣味悪いね。俺の方

が絶対葵を幸せに出来るのに」

やっぱりそうか。こいつ葵さんを狙ってる

んだ~・・・


はぁあ、と盛大にタメ息をつく。厄介なヤ

ツが現れたものだ。