ああ、葵さんってお姉さんいたんだ・・・


それを聞いて、何となくだが安心した。まあ

弟ではなかったけど、いとこでも関係は近

いわけだし。赤の他人なら話は別だけど、

とりあえず大丈夫そうだ。

「葵、何かまた綺麗になったな。いい事で

もあった?」

そりゃそうだ。葵さんが綺麗なのは一般常

識。なかなか分かってるヤツだなこいつ。

「ああ・・・この人と結婚してるから、か

なぁ」

葵さんはそう言って分かりやすくデレる。

そいつは何も驚く事なく興味なさそうだ。

「それよりさ、俺も海連れてってよ」

「え?渚も来るの?」


げ。こいつ一緒に海行くつもりなのかよ!?

空気読めないな・・・


軽くイラっとしつつも顔に上っ面の笑顔を

貼りつける。俺はまるで蚊帳の外(かやの

そと)だ。


葵さん、俺とのデートって事忘れてない

か・・・?