そんな中、先に結論を出したのは彼だった。 「帰っていいよ」 私の様子を伺いながら、だけどちゃんと目を見てそう言う。 「…学校はどうするの?」 卒業は…あきらめちゃうの…? 「あー… まあ、なんとかなるんじゃね」 手は首の後ろ、襟足のあたりを触っている。 嘘をつくときの彼の癖。 その癖だけは、いまも変わらないんだね…