これはきっと恋じゃない。






中から光が漏れてくる。




「……尊弥?」




呼びながら部屋の中をのぞく。





やっぱり、部屋にいた。





ちょうど目の上に腕を乗せ、光を遮るようにしてベッドで寝ている。






よく耳を澄ますと寝息が聞こえる。







なんだ、寝てたのか…





そうと分かると、さっきまでの怒りがスッと消えていく。







「尊弥?」






起こそうと、大きめな声で名前を呼びながら、近づく。






何回か名前を呼んでは見たけれど、一向に起きる気配がない。






そーっと、寝顔をのぞき込む。






気持ちよさそうに、眠っている。






…変わらないなあ






寝顔だけは、あの頃と全く変わらない。






幼いころの記憶が蘇ってくるような、懐かしい気持ちになる。






「……とーや」