私の知っている「とーや」でいてほしかった。 ちょっと泣き虫で、守ってあげたくなるような、かわいい男の子。 いつも側にいて、一緒に笑ってくれる。 …なんて ずっと変わらない人なんていないのにね 「あーあ、ついちゃった」 思い返しているうちに、気が付くともう家の前まで来ていた。 昔をあれこれ懐かしんだって、今は変わらない。 私は軽く頭を振って、過去の思い出を消し去った。